今年最後になるであろう山旅に選んだのがこの大菩薩嶺である。
なぜ、この山が選ばれたかというと次の条件を前提にみんなで選択したのである。

 ・冬山でないこと(この時期、北アルプスはもう雪の中)
 ・富士山が見られること(世界遺産になった記念?)
 ・百名山の一つであること(私の希望)

最終的にはこの山と丹沢山が残ったが、丹沢山は日程的にちょっと厳しいので結局この大菩薩嶺にしようということになった。
ところでこの山は大菩薩(嶺)なのか大菩薩(岳)なのかはっきりしない。山の本でもどっちの表記も使っている。もっとも○○山とXX岳の「山」と「岳」の違いもよく分からないが...またここは山そのものより「大菩薩峠」という時代劇の小説で有名になったところで頂上より途中の峠が有名という変なところである。

 ということで1日目の朝、石川県からこの山のある山梨県へ向けて出発した。この日はふもとの山小屋「長兵衛」までのロングドライブである。ルートはショートカットと紅葉を狙って岐阜県飛騨から安房トンネルを抜けて長野県安曇野を通り山梨へと至る道を選択。途中安房トンネルの前後では期待に違わぬ紅葉を満喫できて大満足。また、山梨へ入ってからはワインの里へ立ち寄りしばし観光旅行の雰囲気に。 
 大菩薩峠から大菩薩嶺の頂上への稜線歩きの途中に「賽ノ河原」と呼ばれる場所があった。三途の川にあるとされる賽ノ河原からとった地名なのか定かではないがあちこちにケルンがあってそれなりの雰囲気である。

大菩薩嶺 2013年11月3日~4日

槍沢ロッジ

 そうこうしているうちに今夜の宿「ロッヂ長兵衛」についた。今までは山小屋と言うと歩いて歩いてやっとたどり着く所ばかりだったが、ここは車で直行できるのですごく便利がいい。最もここを山小屋と呼ぶかは意見の分かれるところではあるが...
 
 いくら待ってても晴れて来ないので福ちゃん荘へ向けて下りることにした。このルートの下りは結構きつく我々は下りになるコース取りしたから良かったものの、これを登るとなると結構しんどい。初心者向けということならここは下りになるルート取りをするようにどこかに書いてあればいいのではと思った。

機会があれば晴れた日にもう一度登って富士山をここから眺めて見たいと思いながらの下山である。
 大菩薩峠を出発して大菩薩嶺の頂上へ向かう。途中には岩山をよじ登らなくてはならない個所もあり、いくら初心者向けと言っても山は山である。ほんとうならこの辺は富士山が見えて絶景の眺望ポイントとのことだが、未練タラタラの山歩きである。
 大菩薩峠のすぐそばにこの山を有名にした小説「大菩薩峠」の作者中里介山の記念塔が立てられている(小説は第2次大戦前に連載されていた)。小説で有名になったからこの山が百名山に選ばれたわけではないと思うが、これだけ登山客が多いのはこの小説によるところが大きいのは確かであろう。
 機会があれば読んでみたいが全部で40巻以上もあり、しかも未完で終わっているとのことで、読破するにはそれなりの覚悟が必要かなとおもう。
 福ちゃん荘という山小屋まではタクシーのみ通行可という道を歩くこと約30分で到着。小屋の前には「皇太子夫妻ご休憩所」という看板がかかっていた。20年ほど前にこの山へ皇太子が夫婦で登られたらしい。
 ここで一休憩して行くことにしよう。山はまだガスにおおわれているので休憩している間に晴れてくれればいいのに。
 朝8時にロッヂを出発。やはり今日は天気予報が当たって雨は降っていないものの山にはガスがかかって眺望を楽しむことは難しいようだ。
 富士山のビューポイントに着くころには晴れてくることを祈って足を進める。
今回のコースを左に示す。ロッヂを出て大菩薩峠をへて大菩薩嶺の頂上へ行き、ロッヂへ戻るという三角形のようなコースである。
 時間はガイドブックによれば3時間30分とのことである。時間もそうであるがコースもほとんどゆるやかでこれもガイドによれば山歩きの入門コースにうってつけであるそうである。 
 着いたのが3時ごろだったので、とりあえず受付を済ませ、荷物を部屋に運び付近を散策へ。小屋の人に聞くと2-30分で富士山の見える展望台へ行けるとのことなので早速行ってみることに。案内板に沿って整備された木道を行くと富士山が目前にいきなり現れた。今回の山旅は富士山が目的の一つであるが本番の明日はどうも天気が良くないらしい。見られるうちに目に焼き付けておこう。
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大菩薩嶺

福ちゃん荘

大菩薩峠

ロッヂ長兵衛

 大菩薩峠に到着。登山道はここまでは入門コースというだけあって整備されていて大変歩きやすかった。ここ大菩薩峠には山小屋もあり記念バッチやお土産も売っている。上まで来てもやはりガスは晴れず周りは何も見えない。もう少し行くと富士山の絶景ポイントがあるらしいが今日は無理だろうな。こんな日でも登山客は結構いて何組ものパーティとすれ違い「こんにちわ」の連続である。

上高地

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 大菩薩嶺の頂上付近は樹林に遮られ元々展望がない。ちょっと開けた場所に標柱が1本立っているだけである。せめて富士山が少しでも見えればこの場所で休憩しようという気になるのだが今のままでは写真を1枚撮って素通りである。
 我々も富士山のビューポイントである雷岩まで戻って休憩である。(富士山は相変わらずガスで見えないが)